法人概要

設立趣旨

 糖尿病は、世界規模で増加しており、日本や熊本県も例外ではありません。ここ熊本では、糖尿病患者の割合は全国平均と大差ありませんが、肥満した方、糖尿病予備群やメタボリックシンドロームの方の割合が高く、近未来の糖尿病患者のさらなる増加が危惧されています。 糖尿病をはじめとする生活習慣病を予防するため、あるいは、すでに糖尿病やメタボリックシンドロームになっておられても深刻な合併症を引き起こさないため、一人一人がご自身やご家族の健康に気を配り、健康的な食習慣を身につけ、適度な運動を継続的に行っていく必要があります。定期的に健康診断を受けていただくことや、必要であれば医療機関に通院し適切な治療を受けていただくことも重要です。

 わたくしたちは、熊本において糖尿病をはじめとする生活習慣病(高血圧、脂質異常症、慢性腎臓病、など)を減少させるための幾つかの試みを、継続的に行ってきました。

 糖尿病や高血圧で治療中の方はもちろん、糖尿病予備群やメタボリックシンドロームなど、食事が気になる方が安心して外食を楽しめるよう「1食600キロカロリー未満、塩分3グラム未満の外食メニュー」の開発を開始しました。本メニューに糖尿病対策のシンボルマークである「ブルーサークル」の名を冠し、「ブルーサークルメニュー」と命名しました。「ブルーサークルメニュー」は、平成24年11月から60メニューの提供を開始、平成26年3月時点で108メニューを提供しております。ガイドブックも製作し、平成25年1月に第一版、平成25年11月に第二版を発行いたしました。このブルーサークルメニュー開発事業は、熊本県や県栄養士会と協力して推進している熊本の食環境整備活動です。

 さらに、本県独自の糖尿病診療体制である「熊本県糖尿病連携医制度」の普及促進を支援する活動を介して糖尿病診療の適正化と効率化に尽力しています。県の事業である「糖尿病医療スタッフ養成支援事業」への活動にも自発的に参加、遂行に協力してきました。「軽症糖尿病取り扱い指針(熊本県版)」の普及や活用を推し進め、糖尿病やメタボリックシンドロームの早期診断・早期の治療開始が可能となるように尽力しています。

 今後も、熊本県はもちろん九州や日本全体、世界を視野に入れた「食の意義の見直し」、「若い頃からの運動習慣の定着化」、「糖尿病診療の適正化と向上」、「糖尿病対策推進の円滑化と強化」など、糖尿病や生活習慣病を減少させるための基盤作りを熊本県糖尿病対策推進会と連携しながら進めていきたいと考えます。公益性・透明性の高い団体であることを示し、諸活動を滞りなく遂行して行くため、法人格の必要性を強く感じ、特定非営利活動法人『ブルーサークル2050』を設立することとしました。

 具体的な最終目標として、2050年までに糖尿病に罹患する人および深刻な糖尿病合併症で苦しむ人々をそれぞれ50%削減することを掲げました。正しい知識の普及と啓発、一般市民の健康増進と福祉向上、糖尿病を中心とした生活習慣病の診療向上に貢献していきたいと考えております。また、目標である「50%削減」の正確な評価のため、糖尿病および糖尿病合併症の状況の社会的および臨床的疫学調査を本法人の主要な活動の一つと定め、2015、2020、2030、2040および2050年度に熊本県全体を対象とした疫学調査を実施したいと考えております。

 特定非営利活動法人『ブルーサークル2050』は、熊本県における各種の活動を通して生活習慣病、糖尿病および糖尿病合併症の発症阻止を総合的に図ります。疫学調査により本取り組みの有効性を確認し、熊本モデルとして世界に発信したいと考えます。公益性の高い諸事業を滞りなく遂行するため、特定非営利活動法人の認証を賜わりますようお願い致します。